ABOUT

○ 自由で柔軟な視点で伝統工芸の新たな可能性を探る
楽芸工房は、京都・西陣で箔屋としての歴史を重ねてきた村田商店の直営工房・意匠部として平成元年
創業しました。長年、西陣織の特徴のひとつである引箔の製造を行ってきました。300年以上前に開発され
たと言われているこの引箔による箔を織り込む技術を、楽芸工房は今もなお支え守り続けています。
初代当主・村田輝義(2代目 善右衛門)は世界に誇る西陣織の芸術性と高度な技術を継承する一方、
伝統工芸の枠を超えた新たなモノづくりにも積極的に取り組みました。アート、デザイン、インテリア、
ファッションなど、幅広いジャンルと接点をつくりながら、国内外のマーケットに向けて革新的なデザイン
を提案してきました。

○ 歴史を見つめ、未来を創造する
西陣織には1200年以上の歴史があります。完成までに必要な20以上もの工程それぞれを一人の職人が
担当するという高度な分業によって支えられてきました。楽芸工房は、西陣織の技術を未来に繋ぐだけで
なく、その技術をもとに現代生活に即した作品を創造し、新しい伝統を築くことを目指しています。
西陣織をはじめとする伝統産業の多くは、伝統と革新の響き合いによって様々な進化を遂げてきました。
伝統工芸を中心に据え、多様なアイデアを織り込み、さらに深化させて次に繋いできたのです。新しいもの
を取り込んでも決して壊れないのが伝統の強さです。素材や道具、デザインが変わっても、工芸の本質だけ
は変わらず継承していく、これが未来の伝統に繋がっていくのではないでしょうか。


※引箔(平箔・柄箔・模様箔)とは
〜西陣織を支える名脇役〜
西陣織の帯地の特徴である絢爛豪華な金・銀の輝きは、引箔によって表現されています。引箔は古来より、
西陣織の中でも最高級品に用いられてきた材料の一つです。そしてそれを織物に織り込むための西陣織独自
の伝統技法もまた「引箔技法」と呼びます。

・材料(素材)
伝統的な引箔は和紙の表面に接着剤として漆を塗り、金・銀箔を押し上げて(貼って)製作します。現在で
は金・銀箔だけでなく、様々な材料や道具を用いながら独自の模様を表現するのが主流です。これを専門の
裁断所で一定の方向に髪の毛ほどの細さに裁断します。

・技法
織物は経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を通して織り上げます。西陣織の特徴は、緯糸の代わりに裁断
した引箔を織り込む「引箔技法」にあります。一本ずつ順番通りに織り込むことで、元の和紙に描いた模様
が帯に再現されます。引箔は糸と違い表裏があるので、織り手が一本ずつヘラに引っ掛け、引っ張ることに
より経糸の間を通します。この動作から引箔という名が生まれました。

楽芸工房公式Webサイト
http://rakugei.jp

オリジナルブランドWebサイト
http://nobegane.jp